本日のお題はFinocchio フェンネル(和名ウイキョウ)です。
Foeniculum vulgareとも呼ばれ独特の香りで他の食材を引き立たせるこの野菜は食用として幅広く使われています。
イタリアではサラダに生で使うことが多いようですが、シチリアのパスタ・コン・レ・サルデ(イワシのパスタ)にはフィノッキオ・セルバティコ(野生のフェンネル)が使われますね。
このパスタ・コン・レ・サルデには後ほど触れるとして、まずはフェンネルの歴史からひも解いていきましょう!
フェンネルの歴史は古く、歴史上で最も古い作物の1つとされています。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%ABより引用
原産は地中海沿岸地域。
名前の由来はFoeniculum(ラテン語で干し草の意味)vulgare(広く普及した)という2つの言葉で、
これは、この野菜が昔は干し草(いわゆる家畜の飼料)として広い地域でよく使われていたというところに由来しているようです。
フェンネルはそれ自身が持つ香りで古代からよく知られ、古代エジプトでは消化不良の薬として使われていたそうです。インドでは媚薬として使われ、古代人たちの間では蛇にかまれた時の治療薬としても使われていたとか。また中世では魔法を解く解毒剤として認識されていたそうです。
ギリシャ神話では、プロメテウスの「人間に火を与えた」話の中で、フェンネルを持って天に上りそれに火を付け人間たちに火を授けたとあります。
面白いのは、イタリア語の格言でLasciarsi Infinocchiareという言い回しがあります。
この場合のInfinocchiare は騙されるという意味。これは昔、ワイナリーのオーナーがワインを買いに来た人たちに少量のフェンネルを振る舞い、それを食べた後ワインを味見すると、フェンネルの香りはとても強いため味や香りをごまかしてしまい、低品質のワインもおいしく感じてしまうというお話からできた言い回しです。
香りが強いという理由で皮肉にも悪用されてしまった例です。ポジティブな効果をたくさん持つだけにちょっとかわいそうですね。
http://www.alimentipedia.it/finocchio.htmlから翻訳、引用
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さて、シチリアの料理パスタ・コン・レ・サルデ、皆さん突然ですがイタリア料理でイワシと名の付く魚が何種類かあるのをご存知ですか?
Sarde(単数形Sarda): イワシ
Sardinaとも言う(島の名前ではありません): イワシ
Acciughe(単数形Acciuga): カタクチイワシ(アンチョビ)
Alici(単数形Alice): カタクチイワシ(アンチョビ)
日本ではオイル漬けなどにしたカタクチイワシが多いですが、それだけでも2種類名前があります。私自身、昔イタリアでアンチョビのオイル漬けを買おうとスーパーに行ったら1つはAlici とラベルに書いてあり安い、もう1つはAcciughe とラベルに書いてあり少々高め、アンチョビが頭にあった私は、迷わず高い方を買いました。もちろんメーカーの違いはあるのでしょうが、Aliciも同じ魚だったなんて・・ 皆さんはこんな経験ありませんか?
それでは今日はこの辺で失礼します。
皆様よい夏休み、お盆休みをお過ごし下さい。