イタリアのパスタ

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パスタについては、諸説ありますが「水と小麦粉を練ったもの」という意味で使われていた古代ギリシャ語Làganonやラテン語のLaganumに由来するという説や、古代ローマで主食にされたプルスというお粥のような食べ物が起源などと言われています。
その後中世を迎えると、パスタを生のままスープに入れたり、ゆでてソースとあえるようになったと考えられています。13~14世紀のイタリアでは、パスタは一般家庭に普及するようになり、15世紀には乾燥パスタが作られていました。17世紀のイタリアでトマトの栽培が本格化すると、トマトとパスタの相性のよさから、パスタの消費は飛躍的に伸びました。

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一方、日本では幕末の横浜外国人居留地にパスタが伝わったのが始まりといわれ、明治時代に入ると輸入パスタが一部の愛好家の間で食べられていたそうですが、まだまだ一般人の口に入るものではありませんでした。一般化したのはイタリアから全自動式パスタ製造機が輸入されるようになった昭和30年代以降のことです。その頃は日本人の好みや味覚に合わせていくつかの小麦粉をブレンドさせていましたが、海外旅行客の増加やイタリアンレストランブームにより好みも変わっていきました。

日本では一般的にスパゲッティやマカロニなど実際に多く使われている麺の種類は限られていますが、イタリアでは地方独特なものも含めると500~600種類あると言われています。その消費量は、世界第一位であるイタリアの年間一人当たり28.2kgに対し、日本では年間一人当たり2.0kg足らずです。イタリアの年間生産量は290万トンにも達し、そのうち日本に輸出されている量は、わずか約88,000トン足らずです。
また、イタリア人一人の年間消費量は、パスタの約30㎏に対し、パンは約60㎏にもなることからパスタはおかずという認識を持たれていることがわかります。
日本ではパンとパスタを一緒に食べることはあまりありませんが、イタリアでは一緒に食べることも頻繁にあります。

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最後にパスタの茹で加減を表す「アル・デンテ」という言葉。
ご存知の方も多いとは思いますが、これは「デンテ」がイタリア語で「歯」という意味であることから
「歯ごたえのあるくらいの硬さ」という意味で使われています。
少し硬いと感じるくらいがちょうど良い硬さなのです。